モートン島とモートン湾の生物

モートン島とモートン湾に息づく野生生物たち

国立公園と海洋公園に守られた、世界有数の豊かな海洋生態系

タンガルーマ・アイランドリゾートが位置するモートン島は、島の大半を占める「モートン島国立公園」と、周囲に広がる「モートン湾海洋公園(Moreton Bay Marine Park)」という2つの保護区域に抱かれた世界的にも希少な自然環境を誇ります。広大な砂洲や豊かな海草藻場が広がるこの海域には、国際的な保護対象種や絶滅危惧種をはじめとする多彩な野生生物が生息しています。

 

モートン湾を代表する海洋生物

ジュゴン(Dugong)

モートン湾には現在約600〜800頭のジュゴンが生息しており、時には数十頭から最大100頭もの群れが確認されることもあります。ジュゴンが生息できる世界の南限海域の一つであり、約200km北に位置するハービーベイと並ぶ極めて重要な生息地です。ジュゴンは繁殖サイクルが非常に緩やかなうえ、主食である海草藻場の減少による影響を受けやすいため、貴重な保護対象種として厳格に見守られています。

モートン湾のジュゴン

ザトウクジラ(Humpback Whale)

毎年南半球の冬(6月〜10月頃)になると、多くのザトウクジラが南極海からオーストラリア東海岸沿いを北上し、出産と子育てのために温暖なクイーンズランド州沿岸を目指します。長年の保護活動の成果により個体数は順調に回復しており、世界的に貴重な白いザトウクジラ「ミガルー」がモートン島沖を回遊する姿も過去に目撃されています。

周辺海域ではミナミセミクジラやマッコウクジラ、ミンククジラなども確認されています。タンガルーマでは毎年6月〜10月にホエールウォッチングクルーズを運航し、クジラとの安全距離やエンジン停止基準を徹底した環境配慮型の運航を行っています。

ザトウクジラのジャンプ

イルカ(Dolphin)

モートン湾海洋公園には、主に「ハンドウイルカ」と「オーストラリアウスイロイルカ」の2種類が生息しています。

毎夕リゾート前の浅瀬にやってくる野生イルカ餌付け体験のイルカたちはハンドウイルカで、約10〜15頭のポッド(群れ)を形成して定住しています。一方、希少なオーストラリアウスイロイルカは、背中の隆起(コブ)に乗った背びれと淡いピンク〜灰色の体色が特徴で、クイーンズランド州自然保護法でも保護対象に指定されています。

タンガルーマの野生イルカ

ウミガメ(Sea Turtle)

世界に生息する全7種のウミガメのうち、実に6種類がモートン湾で見られます。浅瀬に広がる海草藻場やサンゴ礁は、ウミガメにとって欠かせない採餌場となっています。特にアオウミガメ(10,000頭以上)とアカウミガメ(2,000頭以上)が多く生息しているほか、タイマイなども確認されており、いずれも州自然保護法で保護されています。タンガルーマ沈船群周辺のシュノーケリングツアーやマリンクルーズでも頻繁に出会うことができます。

沈船周辺を泳ぐウミガメ
Tangalooma Island Resort Dolphins
Tangalooma Island Resort Turtles

モートン島に生息する野鳥たち

モートン島およびモートン湾一帯には、年間を通じて約195種もの野鳥が生息・飛来します。これには日豪渡り鳥条約(JAMBA)や中豪渡り鳥条約(CAMBA)などの国際協定によって保護されている31種の渡り鳥が含まれており、国際的にも極めて重要な鳥類の保護区となっています。

ワライカワセミ(Laughing Kookaburra)

モートン島には多くのワライカワセミ(現地名:クッカバラ)が生息しています。カワセミ科の中で世界最大級の大きさを誇り、人間の高笑いに似た独特の鳴き声を響かせることで世界的に知られています。

非常に好奇心旺盛で人懐っこい性格をしており、オーストラリアを象徴する野鳥として多くのスポーツチームのマスコットに採用されているほか、2000年シドニー夏季五輪の公式マスコット「オリー(Olly)」のモチーフにも選ばれました。リゾート敷地内の木々でもその愛らしい姿や鳴き声を間近に楽しむことができます。

ワライカワセミ(クッカバラ)

コシグロペリカンと鵜(Pelican & Cormorant)

リゾート周辺のビーチや桟橋付近で最も親しまれているのが、オーストラリア固有の大型水鳥「コシグロペリカン(オーストラリアペリカン)」と「鵜(カワウ・マダラウ等)」です。

桟橋の周りでのんびりと羽を休める姿が日常的に見られるほか、毎夕の野生イルカ餌付け体験の時間になると、おこぼれの小魚を狙って周囲を泳ぎ回る愛嬌ある姿も名物となっています。リゾートの桟橋では、スタッフによる生態解説を交えたペリカンの餌付け見学プログラムも行われています。

桟橋付近のペリカン
Pelican Feeding at Tangalooma
Kookaburra Feeding at Tangalooma

モートン島の植物と陸生生物

世界で3番目に大きな砂の島であるモートン島は、海だけでなく陸上にも多種多様な固有の動植物が生息する貴重な自然の宝庫です。砂質土壌という過酷な自然条件に適応した独自の生態系が形成されています。
 

島内に生息する主な陸生動物

モートン島国立公園内には、厳格な自然保護のもとで以下をはじめとする多彩な野生生物が暮らしています。

  • 爬虫類: 36種(トカゲ、ヤモリ、ヘビなど)
  • 両生類: 11種(酸性水に適応した希少なカエル類など)
  • 陸生哺乳類: 11種の在来種(うち6種は夜行性のコウモリ類)
  • その他: ジュゴンやイルカなど海洋哺乳類を含む計14種以上の哺乳類
モートン島の最高峰マウント・テンペストとバンクシア

過酷な砂の環境に適応した植物群落

モートン島の生態系は非常に繊細で、栄養分の乏しい砂質土壌や、ティーツリー(メラレウカ)の樹液・タンニンが溶け込んだ独特の酸性水(琥珀色の淡水湖など)に適応した特殊な植物群落が発達しています。

内陸部には、幹に独特の模様を持つスクリブリーガム(Scribbly Gum)やピンクブラッドウッド(Pink Bloodwood)といったユーカリ属を中心とする広大な森林地帯が広がっています。一方、海岸沿いでは耐塩性に優れた海浜植物が砂をしっかりと根で固定し、風や波による砂丘の浸食を防ぎながら、他の植物が根付くための基盤を作り出しています。

また、島内には先住民族が古くから食用や薬用として利用してきた「ブッシュタッカー(伝統的な野生植物)」が約64種確認されており、現在もエコレンジャーによるエコスタディツアーなどを通じてその知恵が紹介されています。

Moreton Island